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アメリカの国際戦略について

 投稿者:まっぺん  投稿日:2017年 9月23日(土)19時27分21秒
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  ●戦後アメリカの国際戦略(前方展開戦略)

次に初心者さんのおっしゃる「自衛のための軍隊」について考えてみましょう。一見「現実的」のように見えて、実はこれこそ、もっと非現実的な路線です。なぜなら、それはアメリカの国際戦略に関わる問題だからです。アメリカは戦後、世界最大の覇権国家として「パクスアメリカーナ」を実現してきました。その条件となるものは、アメリカの国際戦略=「前方展開」戦略といわれるもので、それを実現するために全世界70カ国に展開された800カ所もの軍事基地です。アメリカはこの戦略の維持のために世界中の同盟国と軍事同盟を結び、その条約のもとで各国に軍隊を常駐させてきたのです。日米安保条約はそのための条約であり、在日米軍基地はそのために置かれた基地です。

●アメリカの安全のために日本の安全がある

「日本は米軍によって守られている」と思っている人がいます。誰が好きこのんで「他人の安全」のために自分を犠牲にするでしょうか? 米軍基地が日本に置かれ、「日本の安全」に寄与する形になっているのは、何よりも「アメリカの安全のために日本に基地がある」からです。つまり、「アメリカの安全のために日本の安全がある」のであって、その逆ではありません。したがって、アメリカの安全が脅かされるような事態になれば、いつでも「日本の安全」など投げ捨てられることを覚悟しておくべきでしょう。

●米中の経済力の逆転が迫っている

そしてそれは今、現実になろうとしています。それは何よりも経済力・軍事力のバランスが変化してきている事によります。アメリカは21世紀初頭までは世界の軍事力の半分を維持していましたが、今や3分の1に後退しています。そしてこの後退はさらに続くと米軍関係者が認めています。中国経済は2010年に日本を追い越し、それから6年で日本の2倍のGDPを達成しましたが、アメリカの経済アナリストたちによれば2025年には中国経済はアメリカを追い抜くと予想されています。また2030年には中国経済が日米合計の2倍に達すると予測するアナリストもいるほどです。もはやアメリカの軍事力はこれまでのように米軍が世界中を支配できるような状態ではないのです。

●オフショアコントロールという戦略

一昨年、米議会の決定により軍事予算が大幅に削減され、全世界に約50万人が配置されている軍事力は、そこから8万人を削減することが決定されました。その穴を埋めるために、米軍は「オフショアコントロール」戦略へとシフトを変えてきています。つまり米軍を削減した分を同盟国の軍隊で埋めようというのです。しかも、その際、ヘゲモニーは絶対に米軍のもとになければなりません。つまり同盟各国の軍隊は独自の軍事行動ではなく、あくまでも米軍の戦略のもとで、米軍の指令のもとで動かなくてはなりません。自衛隊もその米軍の支配下に入るわけです。なんのことはない。自前でお金を出しながら、事実上は米軍の傭兵として下請けをするのです。

●米軍の対中戦争シミュレーション

いま、南西諸島に自衛隊が派遣され、ミサイル基地やレーダー基地を建設しています。これこそまさしく米軍のオフショアコントロール戦略に基づくものです。アメリカには「米中戦争」のシナリオがありますが、そのきっかけとなるかも知れないのは「中国による台湾侵略」です。中国が台湾を攻めるためには南西諸島を越えて台湾の東側に回り込む必要がありますが、その途中に尖閣諸島があります。つまり尖閣は単なる「領土問題」ではなく、米中戦争の要となる場所なのです。そこを含む南西諸島を日本がミサイルで守り、中国艦隊が来たら日本が戦うことになります。こうして日本を犠牲にしてアメリカの安全は守られることになります。

●日本に「自衛武装」はあり得ない

もう分かったでしょう? 今後は日本が「アメリカの楯」となってアメリカの安全のために犠牲となるかもしれない時代が来るのです。だから自衛隊の「自衛武装」はあり得ない。「アメリカのための武装」に他ならないのです。本当に「自衛武装」をしたいのなら、まず日米安保条約を破棄して、日本が独自の軍事行動を自由にとれるようにしなければなりません。しかしそれは到底無理でしょう。日本が軍備を固めれば固めるほど、それは米軍に利用されるだけなのです。戦争になれば米軍の代わりに人を殺し、米兵の代わりに戦死してゆくことになるでしょう。実は「米軍によって日本の安全を保障されている」と思い込んでいる防衛論者の方が、「おはなばたけ」だったというおはなし。

※米軍の軍事問題研究家たちの論文や実際に採用されている戦略などが自衛隊幹部学校の戦略研究所に掲載されています。参考にして下さい。その他、陸上自衛隊の「陸戦研究」も参考になります。
http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/review.html
 
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